はじめに
「50代になってから資産形成なんて遅いのでは?」
そんな不安を感じている人は多いかもしれません。
確かに20代・30代からコツコツ積み立ててきた人と比べると、50代から始めるのは時間的なハンデがあります。しかし、50代だからこそ使える強みもあります。それは、人生の経験値やある程度の収入基盤、これまで培ってきた生活スタイル、そして何より「まだ間に合う時間」です。
この記事では、「50代から資産形成を始めても遅くない理由」から、「実際の具体的な行動プラン」、さらに「50代からの資産形成でやってはいけない落とし穴」まで、徹底的に解説していきます。
この記事を最後まで読むことで、「どう行動すれば良いか」が明確になり、不安を解消できます。
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1. 50代から資産形成が必要な理由
1-1. 定年後の生活費は想像以上に長くかかる
現在、男性の平均寿命は約81歳、女性は約87歳です。60歳で定年退職したとしても、20年〜30年近くの「無収入期間」を生きていくことになります。
その間、年金だけでは足りない場合が多く、追加で月5万円〜10万円の不足を埋めるためには、少なくとも2,000万円以上の資産が必要という試算もあります。
1-2. 子育てや住宅ローンが落ち着く時期
50代は、子供の教育費負担がピークを越える時期でもあります。住宅ローンの完済も近づき、可処分所得に余裕が出てくる人も多いです。この「余裕」を資産形成に活用しない手はありません。
1-3. 医療費や介護費用など、新たな支出リスク
老後は病気や介護のリスクも高まります。公的保険である程度はカバーできますが、自由診療や施設費用を考えると備えは多いに越したことはありません。
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2. 50代からの資産形成の基本方針
2-1. 「守り」を意識しつつ「攻め」も忘れない
50代はリスク許容度が20代や30代に比べて低くなりますが、それでも「全てを貯金」にしてしまうのは非常にもったいないです。
インフレや物価上昇、超低金利の影響を考えると、資産の一部は運用に回す必要があります。ただし、無理に高リスク投資を選ぶ必要はなく、「守り8割、攻め2割」くらいのバランスで考えるのがベスト。
2-2. ゴールから逆算する
「いつまでに、いくら必要か」を具体的に設定しましょう。
例えば、60歳で定年後もゆとりある生活を送りたい場合、
月10万円不足×12ヶ月×20年=2,400万円
が目安となります。ここから年金や退職金、自分の預金を差し引き、不足額を投資や副収入でカバーする計画を立てます。
2-3. 無理なく積み立てる
50代は「一括で大きく勝負」より、「積み立てでコツコツ」が基本です。特にNISA(新NISA)、iDeCoをフル活用して、税制優遇を受けながら資産形成を進めましょう。
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3. 50代の資産形成に必要な具体的ステップ
3-1. まずは家計の見直し
固定費(保険、通信費、車の維持費など)を洗い出し、削減
生活費の無駄をなくし、「残ったお金を貯める」のではなく「先取り貯蓄」を意識
3-2. 現状の資産棚卸し
預貯金
株式や投資信託
退職金見込額
住宅ローン残高
年金受給見込額
これらをリストアップして、どれくらい不足しているかを明確化します。
3-3. 貯蓄と運用のバランス設計
貯蓄:現金比率を生活費1〜2年分は確保
運用:残りを分散投資(株式、債券、金、REITなど)
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4. 50代におすすめの投資方法
4-1. 新NISAの活用
新NISAは2024年から始まった制度で、年間360万円までの非課税投資が可能です。
「成長投資枠」と「積立投資枠」を組み合わせ、
積立枠→オールカントリー(全世界株式)、S&P500など王道インデックス
成長枠→高配当ETF、日本株や米国個別株など
このように分散するのが理想です。
4-2. iDeCo(個人型確定拠出年金)
50代でも加入可能。年末調整で所得控除の恩恵を受けながら積立ができるため、節税+資産形成が同時に叶います。
4-3. 債券(アメリカ国債や日本国債)
特に米国債は、現在金利が高く、安全資産として非常に魅力的です。定期的な利息収入を得られるため、リスクを抑えた運用に最適。
4-4. 金(ゴールド)
有事の資産として一定額を保有しておくことは、資産防衛に繋がります。価格変動はありますが、長期的にはインフレヘッジとして有効。
4-5. 配当株投資
配当金を「老後の年金の上乗せ」として活用可能。再投資しながら雪だるま式に増やしていくことができます。
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5. 老後に向けてやってはいけないNG行動
5-1. 高利回り投資に飛びつく
「50代だから焦ってしまう」という心理から、怪しい副業や高配当をうたう詐欺案件に手を出す人もいます。年齢を重ねても冷静さを失わず、信頼できる金融機関や商品を選びましょう。
5-2. 全額現金で保有
「やっぱり投資は怖い」と現金だけで保有するのはリスクです。インフレや円安により、資産価値が目減りしてしまいます。最低でも資産の30〜40%は運用に回しましょう。
5-3. 住宅ローンの繰り上げ返済で全財産を使う
「ローンが嫌だから早く完済したい」と繰り上げ返済に現金を全投入するのは危険です。手元流動性がなくなり、急な出費に対応できなくなります。
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6. 50代から始めても遅くない!成功事例
事例1:52歳から新NISAとiDeCoで月10万円積立
【Aさん(52歳男性・会社員)】
資産形成開始時点:預貯金500万円
毎月の投資額:NISA 5万円、iDeCo 2万円、現金積立3万円
運用商品:オールカントリー(50%)、米国債ETF(20%)、高配当ETF(20%)、金(10%)
60歳時点の資産目標:1,500万円
結果:7年後、総資産1,700万円に到達(積立額+運用益含む)
事例2:55歳から配当株と国債で年50万円の不労所得を実現
【Bさん(55歳女性・公務員)】
退職金見込額:1,000万円
投資開始:日本高配当株(400万円)、米国高配当ETF(300万円)、アメリカ10年国債(300万円)
毎年の配当金+利息収入:約50万円
60歳以降、年金と合わせて月5万円のプラス余裕資金を確保。
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7. 50代の資産形成は「習慣化」がカギ
無理なく、毎月決まった額を自動積立
収入が増えたり臨時収入があった場合も「使わずに投資」
毎年、年末に資産の棚卸しと配分の見直しを習慣にする
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8. まとめ
50代からの資産形成は決して遅くありません。
行動するかしないかで、60歳、70歳になった時の資産額と安心感は大きく変わります。
以下の3つを意識して今日から動き出しましょう。
1. 目標設定(60歳までにいくら必要か)
2. 家計の見直しと積立開始
3. 「守り」と「攻め」のバランス投資
人生後半を「お金の心配なく、やりたいことができる」自分で迎えるために、一歩を踏み出しましょう!
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